Yahoo!ブックストアの ”恋とロマンとファンタジーフェア” で紹介されている
『紅霞後宮物語〜小玉伝〜』1〜5巻(著作・栗美あい 原作・雪村花菜 / プリンセスコミックス)を読みました!
内容紹介
不世出の軍人と謳われる女将軍・関小玉はかつての相棒にして現・大宸国皇帝である文林の懇願を受け、ある日突然、後宮の頂点である皇后となるが……!? 規格外ヒロイン、いざ女の戦場に出陣!! 軍人皇后の型破りシンデレラストーリー、開幕!!!

紅霞後宮物語〜小玉伝〜 1〜5巻の感想
表紙だけ見ると、今までわたしが手に取ったことの無い種類のマンガだろうな〜という感じでしたが、いざ読み始めてみるとすごく面白かったです!
原作は「紅霞後宮物語」という小説で、小玉伝はコミカライズされたものになっています。
中国の隋〜唐がモデルで、その時代が舞台だというだけで興味深いのですが一番読んでいて惹きつけられるのは、主人公である小玉のキャラクターです。
”軍人皇后”という珍しい肩書きを持つ小玉(娘子)は、チートキャラ?ってくらい強く美しく、広い心を持った誰もが憧れるような存在。
ヒロインにしてはわりと上のほうの34歳という年齢ですが、彼女の振る舞いや考え方から成熟した大人の魅力を存分に感じることができます。
小玉の副官として常に共にあった朋友の文林(大家)は、いつのまにか皇帝に即位し
小玉を皇后として迎えることに。
出会って早い段階からずっと小玉に想いを寄せていて、美形で頭脳明晰な文林、
これはまるで…カカオ79%の中国オトナ豪華版のようなシチュエーション♡
強くかっこいい女子を一途に想い続けている高スペック男子の設定大好きです♡
皇帝と皇后で一応は夫婦という形ですが、型にはまっていないのが興味深い二人。
文林は小玉に恋愛感情を持ち続けていますが、小玉をただの女で終わらせたくない、
武官としての小玉の才能を世に知らしめ、自由、賞賛、栄誉、価値を与えたいという強い想いを抱えています。
それに応えるべく、親衛隊を率いて逆賊の討伐などで着々と戦果をあげ、
人望を集め始めている小玉。
小玉は、文林の想いに気付きながらも気づかないふりをして
『「皇帝」になった人は愛せないんです。恋人を想うような情とは違う。』
だけど、『一緒に居ることを選ぶ』
と沈太監(部下)に伝えているのがなんだか複雑です…
”文林の為に死ねる” ほどなのに、それは恋愛感情ではなく家族以上の情からくるもの?
二人の間に深い絆があるのは確かだと分かりますが、小玉が頑なに
文林を男性として受け入れない理由がはっきりと知りたいです。
ただ5巻で謝充媛が寵姫として扱われ、文林に突き放された小玉が
自分の中の寂しいような、何とも言えない気持ちを自覚したのは
二人の関係にとって新しい第一歩だったのかなと感じました。
それにしても、お二人とも寝間着姿が常にはだけていてめちゃめちゃセクシー。
あの時代の人ってこんな格好で寝ていたんですか?見ていてドキドキが止まりません。笑

もちろん恋愛事だけではなく、後宮ならではの血生臭い描写に鳥肌が立つことも。
高貴妃が自分の意思とは無関係に運命に翻弄され、我が子を手にかけ、自身も愛しい人を想いながら散っていくシーンには涙が止まりませんでした。。
妃嬪にも女官にも皆女性には自由がなかった時代…現代に生きる女性とは比べ物にならないくらい辛く苦しく窮屈な思いをしてきたんでしょうね。
正義とは何か、自由とは何か、登場人物たちの生き様からいろんなことを考えさせられる作品です。